有限要素法による深山ダムの応力・変形解析
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概要
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アスファルト表面しゃ水型の深山ロックフィルダムについて, 築堤材料の非線形性を考慮した有限要素解析を行ない, 実測値と比較したものである。築堤過程の解析における有限要素モデルとしては, 4節点三角形要素を変位が適合するように組み合わせて構成される四辺形要素を用いた。解析に必要なロックフィル材の諸定数は, 大型三軸圧縮試験の結果にDunkan, Kalhanyらの提案した方法を適用することによって求めた。築堤過程における鉛直方向変位の計算値とクロスアームによる実測値, 計算による主応力分布状態と土圧計による実測結果との間にかなりよい一致がみられた。また貯水時については, 非線形有限要素解析と6節点三角形要素を用いた弾性解析とを行なっているが, 弾性解析によるしゃ水壁の変形量が実測値の2倍余となっているのに対し, 非線形解析による変形量は実測値とほぼ一致したとしている。今後の問題点としては, 静的〜動的問題と一貫した手法で取り扱うために, 弾塑性解析法を用いることも検討する必要があるとしている。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1976-09-15