軟岩地帯の災害 : 地スベリ
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概要
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わが国における山腹斜面崩壊や地スベリの災害は軟岩の分布する地域で多く発生しているが, この報文では新潟県下の地スベリ災害を地質, 土質の両側面から検討している。地質学的観点からみて年間を通じての地スベリ発生件数の傾向は裏日本的環境要因に関係があり, 第三紀層特にしゅう曲地帯に多く発生する。岩質的に見ると, 黒色泥岩に多く発生するが, そのメカニズムは不明である。土質工学的観点からみると地スベリ面は極風化層の中か, この層と風化層との境界付近に形成されるが, ときには風化層中に形成される場合もある。土質を粘土, シルト, 風化泥岩類に分け, 標準貫入試験を行ない, 各分類ごとの深さとN値についての特徴を詳細に述べている。超音波伝パ速度測定, 岩石試験をそれぞれ垂直, 水平の両方向に実施し動・静ポアソン比, 動・静弾性係数, 圧縮強度を求め, 極風化層, 風化層, 基岩層(軟岩)について結果をまとめ, 特に軟岩層においては, 岩盤中にき裂がなければ動・静弾性係数の比は6 : 1であったが, き裂が発達していると, この比は30 : 1になることがあるとしている。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1976-06-15
社団法人地盤工学会 | 論文
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