砂の変形における状態関数

概要

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土の変形挙動を明確には握し定式化するためには, 粒状体自身の変形特性に着目した独自のアプローチによらねばならないとする立場から, 砂の変形機構を説明する状態関数を提案した。すなわち, 砂のような粒状体では外力によってなされる仕事は状態量ではなく, 次の2つの関数が経路によらない状態量として考え得ることを三軸試験の結果を用いて示している。S_s^*=∫dW_s/p'およびS_<cs>^*=∫dW/p'(dW_s : 外力によるセン断塑性仕事, dW : 外力による全仕事, p' : 平均主応力)。前者は砂の初期密度にあまり関係しないが, 後者は塑性仕事のみならず等方圧縮に関する弾性的なエネルギーにも関与するため初期密度に依存する。また砂の状態の変化を表わすには平均主応力p'とセン断ヒズミγを採用するのが適当である。ついで状態量S_s^*を用いて砂のセン断における降伏条件を示し, 等セン断ヒズミ線がこの条件を表わすものであること, およびその形はMohr-Coulombの条件に近いことを示した。またこのS_s^*によって最上の粒状体理論を検討し, その一般化を試みている。
社団法人地盤工学会の論文
1976-03-15