トンネル掘削に伴なうゆるみ層厚または塑性範囲の推定
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
トンネルを掘削すると, 壁面からある範囲の岩盤がゆるみ, 支保工に荷重が働く。支保工に働く応力の推定は, 掘削工法, 支保工, 履工巻厚を決める上で重要である。このゆるみ層厚または塑性範囲を推定するため約100箇所のトンネル内で弾性波探査, 地質調査, 採取試料の試験, 施工実績調査を行なった。その結果次の結論を得た。爆破, 風化, 断面形状の不規則性などによるゆるみ層厚は, 馬てい形断面の場合とRTM掘削による円形断面の場合の2つに分け, 断面幅, 高さ, 岩盤弾性波速度, 試料の弾性波速度によって示される式で表わされる。ゆるみ層厚は, 一般に3〜6ケ月間は増大するが, それ以後は一定である。地質が特に風化しやすい岩石の場合は6ケ月をすぎてゆるみ層厚が大きくなることがある。ゆるみ層厚はクラウン部の方が側壁部より少し大きいが大きな差はない。塑性範囲または膨潤範囲は岩盤強度, 膨潤性粘土の有無によってきまるが, 弾性波速度で下限値を定める式を求めた。支保工の支持する最大ゆるみ層厚または塑性範囲を示す曲線を, 図を定め支保工の設計計算ができるようにした。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1975-09-15
社団法人地盤工学会 | 論文
- 地盤改良(1)((1)地盤改良,4.地盤挙動,第44回地盤工学研究発表会)
- 泥炭地盤上の道路盛土の残留沈下とLCCに関するケーススタディ(地盤構造物のライフサイクルマネジメント)
- 泥炭地盤の圧密沈下とその予測(圧密沈下の予測と対策)
- 海外建設プロジェクトにおける地盤リスク対応について(海外事業と地盤工学的問題 : アジア地域におけるプロジェクト事例ならびに地盤工学的特性)
- リスク工学と地盤工学 : 4.プロジェクトリスク