粘性土岩における押し出し性〜膨潤性トンネル地圧のメカニズムと実測例
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概要
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能代開拓第1号導水路4号トンネルを例にして, 押し出し性〜膨潤性の地圧の発生機構を現地測定, 岩石の室内試験のデーターをもとにして考察したものである。前記トンネルは新第三紀層の泥岩中に掘られているが, 支保工の計測により建込後3〜4週度に単位幅当たり圧力は上下方向40〜50t, 水平方向30t程度と推定された。支保工破壊の原因が押し出しと膨潤圧にあるとして, 原岩および粉砕後リモールドして元の密度まで圧縮した人工岩について膨張量・膨潤圧・pF・quなどが測定された。モンモリロナイトを多量に含むこの泥岩の一軸強度は地山のカブリおよびトンネル掘削によっておこる応力集中から予想される地圧より小さく, トンネル周辺の破壊によって生じたゆるみ域内では露出した活性面に応力集中で地山からしぼり出された水や重力水が接し, 吸水膨張と軟弱化や微破壊がいっそう進行したものと考えられた。地山の膨れ出しは主として破壊時のマクロ的ダイレイタンシーによる。トンネル掘削のための岩盤分類にはqu/σ_υ(σ_υ : 岩の自重によって起る垂直応力)を充分考慮すべきで, 1試案が提案された。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1975-09-15
社団法人地盤工学会 | 論文
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