千葉県鴨川市嶺岡隧道の地質と膨張性地圧について
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概要
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葉山-嶺岡隆起帯のジャ紋岩, 玄武岩, 凝灰岩, 砂岩, 泥岩(いずれも第三紀層)を貫く国道トンネルの施工に際して, 著しい地圧を受け変状がはなはだしかった。本論文は地質調査, 粘土のX線回折, 吸水膨張試験, 支保工の変形・座屈, 軸力や地表沈下の測定などにより, 地質と地圧・変状との関係ならびに膨張性地圧の原因機構を明らかにしたものである。725mのトンネル内の多くの部分で岩石は葉片状・鱗片状・粘土状になり, 混合し合い, 全体が破砕帯の様相を示す。膨張性地圧区間では一軸圧縮強度は原岩の種類に関係なく1.8〜8.4kg/cm^2で, これと地山の自重による垂直応力との比は0.7以下, 最低0.07であり, 粘土鉱物としてはモンモリロナイト, クリソタイル, 緑泥岩, 方沸石などが目立つ。膨張性試験の結果からみても, 地圧の主原因は塑性流動であり, 地圧の大小は岩盤の破砕の強弱に支配されている。側壁導坑先進上部半断面方式で掘削されたが, 導坑クラウン部の荷重は隣接導坑や上部半断面の接近・通過に伴って飛躍的に増大することが測定された。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1975-09-15
著者
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