軟弱地盤・構造物系の動特性におよぼす基礎・地盤の影響
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概要
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軟弱地盤上にある小さな基礎から大規模な構造物にいたる5種類の例に対して起振器実験を実施し, さらに有限要素法や波動法による計算結果を基にして動特性ならびに耐震性についての考察を行なっている。まず, 基礎近傍の地盤の挙動は, 地盤内に発生する応力レベルに応じた非線形性を呈するが, 軟弱な地盤でも地盤自体の動特性は相当な振幅の範囲まで線形的であると述べている。また, 地盤と構造物の動特性によっては, 高次の振動が卓越する場合があることや, 軟弱地盤上にある構造物の固有振動数は岩盤上にある場合に比較すると小さいことなども明らかにしている。構造物に基礎工を施すことは, 一般的には構造物をより耐震的にすることになるが, 構造物と同程度の剛性をもつ基礎工が堅い層に着くように設けられるときには逆の効果の生ずる場合のあることを指摘し, これは基礎工を設けることにより構造物が高くなることの影響のほかに, 堅い層からの振動の伝達度がよくなるためであると解釈している。また, 軟弱層が厚いほど構造物本体の耐振設計は容易になると述べている。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1974-12-15