中立応力低下による海底地盤の改良
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概要
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埋立てを伴わない海底軟弱地盤の改良工法として, 上載荷重を用いずに地盤内の間ゲキ水圧を低下させて粘土層の圧密を促進させる方法を採用し, 大阪市南港の海中で試験工事を実施した結果を述べたものである。工事はサンドマットの施工に始まり, ケーシング付きサンドドレーンの打設, 鋼板わく利用による耐圧被膜としての塩ビ・シートの設置ならびに減圧排水管の配管などが実施された。粘土層内の間ゲキ水圧測定は不成功に終り, また鋼板わくによるシールも不完全であって, かりに完全真空を地盤中で得たと仮定すると大気圧と水圧の両者が圧密荷重として期待されるにもかかわらず, この実験では在来海底地盤面で大気圧より幾分小さい間ゲキ水圧の低下を得たにとどまった。実験結果として, 圧密前, 4か月後, 1年後に測定された粘土層の含水比, 先行圧密荷重, 粘着力, 沈下量の値が報告されている。結局, この地盤改良工法には, 鋼板わく周辺からの浸透流または気圧の漏れをしゃ断するくふうが必要であるとされている。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1974-09-15
社団法人地盤工学会 | 論文
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