掘削工事における土留め壁応力解析
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概要
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土留め機構に関する山肩らの理論(土と基礎, Vol. 17,No. 9)に汎用性をもたせた電算機のプログラムを開発し, 実測例と比較, 検討を行なったものである。用いた仮定は山肩らが用いたもののほか, 土留め壁の根入れを有限長として扱い, 先端はヒンジ, 固定, 自由の3種類とし, 地質の状況に合わせて選択できるようにしたこと, 切バリ架設時にすでに発生している地中の変位を考慮したことである。土留め壁について立てられた微分方程式は遷移行列法で全断面の変位と応力が求められる。計算結果と山肩らが報告した実測例(土と基礎, Vol. 15,No. 5他)と比較したところ, 粘性土地盤に対しては, セン断力, 曲げモーメント, 変位, 切バリ軸力とも, 下方部において多少差はあるが全体的に良く一致し, 実用上十分の結果が得られている。また砂質土地盤では, 粘性土地盤ほどには一致せず, これは土圧の算定に問題があると指摘している。またこの計算をもとに, 土留め壁の応力, 変位などに影響を及ぼす要因についても検討が行なわれている。
- 1974-09-15