えびの・吉松地域に分布するシラスのセン断特性について

概要

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南九州の地震多発地帯であるえびの・吉松地域に分布するシラスに関して排水三軸試験を行ない, 破壊ヒズミ, ダイレイタンシー, 変形係数, セン断強さ定数, および強さの成分について検討を加えたものである。試料は鹿児島県吉松町川添産の下浦シラス2種と宮崎県えびの町浦産の下浦シラスと昌明寺シラス各1種計4種である。土質分類は, 吉松町産の下浦シラスが砂, えびの産の下浦シラスと昌明寺シラスはともにシルト質砂である。試験方法の概略はつぎのようである。供試体寸法は直径5cm, 高さ12.5cmであり, 20cmHgのサクションをかけ供試体下部より脱気水を給水して飽和させた。その後サクションを解放し, 4種の拘束圧0.5,1.0,2.0および3.0kg/cm^2のもとで圧密を行ない, 終了後, 圧縮ヒズミ速度0.8%/mmのもとで排水三軸圧縮試験を行なった。その結果, 地質の異なるシラスは, 力学的特徴が異なること, 同じ地質のシラスでは細粒ほどセン断強さが小さいこと, シラス中の異質レキはセン断性に影響を及ぼすこと, 乱した状態でのシラスの見かけの粘着力は, かみ合いに起因することなどが確認された。
1974-03-15