東京低地帯における洪積層の沈下状況
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概要
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東京都では昭和13年(1938)以来, 精密水準測量と観測井を主体とする地盤沈下調査を開始し現在に至るまで続けられている。本報告はこれらの結果をもとにして, 隅田川と荒川に囲まれた江東三角州地区の洪積層の沈下の実態を紹介したものである。この地盤沈下はおもに工業用水などの地下水の揚水が原因であり, はじめ揚水深度が比較的浅い帯水層(洪積層上部)であったのが工業の発達に伴い, 徐々に深層部(洪積層中・下部)へと波及し, 従来上層の軟弱粘土層の収縮にとどまっていた地盤沈下は深層部(洪積層, 第三紀層)へと進展している。昭和19年から昭和44年の25年間の記録を整理し, この間の変動経過には四時期があるとし, そのおのおのの時期の特色を述べている。さらに, 地域別に, 累計沈下量曲線の特色から, 四つのグループに分けられることを示し, 地盤の変動経過は地下水の揚水状況と関係を持ち, 地域別の特色は, おもに, 洪積層の厚さの違いによって出てくると想定している。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1972-06-15
社団法人地盤工学会 | 論文
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