すべり荷重を上回る動的繰り返し荷重を受ける高力ボルト摩擦接合部のボルト軸力低下特性
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概要
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本実験の範囲で明らかになった点を要約する。1)ボルト孔のクリアランスが1.5mm程度の通常の寸法の場合, すべり期間中におけるボルト軸力はほぼ一定と見なし得る。2)摩擦接合部の動的繰り返しすべりに伴い, すべり発生時におけるボルト軸力は, はじめの2〜3サイクルで急激に低下しそれ以後漸減する。このような軸力低下特性は, (2), (3), (4)式により良好に近似する事ができる。3)摩擦接合部に3回程度の繰り返しすべりが生じると, 荷重振幅・荷重周波数に無関係に, ボルト軸力低下現象はほぼ定常期に入る。4)ナットのゆるみ回転現象が認められた。この現象は, 摩擦接合部の力学的特性を検討する上で無視し得ない要因である。5)ナット回転角は, すべりの繰り返し回数に対してほぼ直線的に増加する。6)定常期におけるボルト軸力低下量は, ナットのゆるみ回転によりほぼ説明し得る。7)ボルト軸力低下量は, 荷重周波数および荷重振幅の影響を受け, 5Hz程度までは荷重周波数が増すに従い, ボルト軸力低下量は少なくなる。また, 荷重振幅が大きい程ボルト軸力低下が著しい。
- 社団法人日本建築学会の論文
- 1983-02-28
著者
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