高温加熱状態における高力ボルト接合部構成材の機械的性質に関する研究 (梗概)

概要

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高温引張試験より得られた結果より1)降伏点, 引張強さの低下率は, 高力ボルト接合部構成材中唯一の非調質材であるSS41が, 他3材に比べ異った変化を示す。すなわち, 熱処理された調質材(ボルト・ナット・座金)は, 焼戻し温度を越える範囲で急激な低下を示すのに対し, SS41材は, 低下率の変化はほとんどない。2)各材のヤング率は, 同一温度ではほぼ同じ値となる。3)高力ボルト材の降伏強度, 引張強さの低下率は, 焼戻し温度の低い順, すなわち, F11T (415℃)が最も大きく, ついでF10T (460℃), F8T (490℃)の順となる。リラクゼーション試験で得られた結果より1)SS41は, 一般的に他の調質材に比べて応力低下率が大きく, 特に低温域(250〜300℃)においてこの傾向が著しくなる。2)ボルト材は, 調質材の中では350℃以上のほとんどの温度域において応力低下率が最も大きく, 特にF11Tの応力低下率は, 4時間後には400℃で初応力の46%, 450℃で66%にもなる。
社団法人日本建築学会の論文
1981-10-31