濃尾平野の長・短周期微動特性 (2) : 直交二測線の同時三成分計測
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概要
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前報では, 濃尾平野の長・短周期微動特性を知る第一段階として, 固有周期10秒の地震計に依り, 東西方向二測線で変位の水平二成分計測結果を報告した。本報では, 第二段階として前回二測線を3〜10km南下した東西方向一測線と平野のほぼ中央部南北方向一測線に於いて, 固有周期1秒と5秒の地震計に依り変位の同時三成分計測を実施し, スペクトル解析結果と地層断面, 波動特性からの検討を実施し, 以下にその結果を纒める。[1]フーリエ解析に依る短周期域の卓越周期は, 水平動二成分では, 東西測線で0.35〜0.67秒, 南北測線は0.30, 0.60秒に見られ, 地表第一層の変化に対応し, 上下動成分はやや異なる特性を示す。フーリエ振幅・変位振幅もほぼ同様の傾向である。[2]長周期での卓越周期は, 水平動二成分は, 東西測線で2.3〜4.8秒, 南北測線では3.8〜4.2秒に見られ, 東西測線は前報と同様西部に向けて伸長する事が確認され, 各々濃尾傾動地塊との対応を示していると考えられる。上下動成分は特性を異にする。[3]長・短周期の卓越周期・フーリエ振幅・変位振幅の成分相互の関係は水平二成分では異方性は見られず, 上下動成分に対し卓越している。[4]超深層断面とスペクトル変化との対応は良い。[5]増幅率スペクトルとフーリエ・スペクトルとは, ほぼ卓越振動数は対応し, 構造形態も似ており, 微動水平成分を実体波として説明出来る。[6]微動の水平動成分はLove波, 上下動成分はRayleigh波の分散性表面波からも説明され, 低振動数での極小群速度を与えるモードは超深層に至る地層と関連する。[7]パーティクル・オービットからは, 各波の混在する複雑な波動と考えられる。尚, 今後, 定点長期計測その他の検討に依って濃尾平野の振動特性の明確化を図っていく予定である。
- 1978-11-30
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