総義歯装着者における顎関節内障に関する臨床的研究 : 顎関節MRI所見と臨床診査所見の関連
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年,顎関節MRIにより,総義歯装着者においても,非侵襲的に関節円板ならびに下顎頭の客観的な機能動態の診査が可能となった.しかし,顎関節MRI撮像は経済的ないし時間的理由から,すべての患者に行うことは困難であるものと考える.そこで本研究は,臨床診査所見から顎関節内障を推定するための診断パラメーターを確立することを目的として,無作為に抽出した総義歯装着者70名を対象に顎関節MRI撮像を施行し,臨床診査所見との関連を判別分析により検討した.その結果,総義歯装着者における顎関節内障の推定には,旧義歯装着年数,開閉口運動時の最大側方偏位量,Mentonの側方偏位度,CPIの左右差,安静空隙量の5つの診断パラメーターが重要であることが判明した.また,本判別分析より得られた判別得点は,総義歯装着者における顎関節内障患者の判別はもとより,顎関節内障の重症度を示す指標として有効であるとの示唆を得た.
- 1995-04-01
著者
関連論文
- 顎関節内障を伴う総義歯患者の症状の違いが水平的下顎位に及ぼす影響
- 総義歯装着者の義歯 Quality と顎関節内障との関連
- 総義歯装着者における顎関節症の臨床的特徴 : 顎関節内障の発生頻度
- MRIによる下顎頭および関節円板動態の両側同期性からみた定量評価
- 総義歯装着者における顎関節円板挙動が下顎頭の位置と運動に及ぼす影響
- 総義歯装着者における顎関節内障に関する臨床的研究 : 顎関節MRI所見と臨床診査所見の関連