義歯床下粘膜における応力分布の有限要素法による解析
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概要
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下顎全部床義歯の床下粘膜における応力分布を,咬合接触との関係において全域にわたり定量的に捉えるために,解析モデルを作成し,三次元有限要素法により検討を加えた論文である.すでに発表された圧力センサーによる局所負担圧分布と対比させているが,左右の小臼歯部,大臼歯部に均等に荷重した時,床下粘膜の応力も均等化され,偏側荷重では荷重側の応力が上昇し,反対側では床の浮上が認められるなどの結果が得られた.加えて,荷重条件の違いによる義歯の移動量を数値として示し,義歯の動きをベクトルでカラー表示できたことは,咬合接触状態における義歯の沈下,回転,移動などを理解する上で臨床的にも興味深い.
- 社団法人日本補綴歯科学会の論文
- 1993-10-01