摩砕処理が低水分サイレージのin sacco分解率ならびに消化性に及ぼす影響
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概要
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牧草の摩砕処理か圃場での乾燥速度, サイレージ茎部のin sacco解率あるいはサイレージの消化性に及ぼす影響を検討した。材料はアルファルファ1, 2番草(Af-1st, Af-2nd)およびチモシー2番草(Ty-2nd)で, これらをフォーレージマットメーカで摩砕し予乾する区(FM区)とテッダで反転予乾する区(CC区)を設けた。結果は以下の通りである。1.圃場における牧草の乾燥速度は, Af-1stのFM区では頻繁な反転を行ったCC区と同等であった。雑草混入の多かったAf-2ndやイネ科牧草のTy-2ndではFM区の乾燥速度が低下した。2.Af-1stのFM区はCC区に比較して葉部割合が高く, 予乾中の雑草混入が少ないため高CP含量, 低繊維含量となった。Af-2ndの葉部割合はAf-1stと同様にFM区が高かったが, サイレージの雑草混入は両区とも約35%と高く, 飼料成分に処理区間差は認められなかった。Ty-2ndサイレージも飼料成分に顕著な処理区間差が認められなかった。3.アルファルファサイレージ茎部のin sacco DM分解率には処理区間差が認められなかったものの, CP分解率はFM区が有意に高く, 第一胃内で70%以上が分解されることが推察された。NDF分解率は, Af-1stでCC区が高く, Af-2ndでFM区が高い相反した結果となった。モチシーサイレージではDM, CPおよびNDF分解率に処理区間差は認められなかった。4.サイレージの消化率にはアルファルファ, チモシーとも顕著な処理区間差は認められず, TDN含量も両処理区で同等であった。Af-1stで行った呼吸試験の結果, エネルギー消化率および代謝率に処理区間差は認められなかった。これらの原因として, サイレージを給与前にそれぞれ20mmで細切したことが摩砕処理の効果を打ち消したものと考えられた。
- 日本草地学会の論文
- 2001-10-15
著者
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