平坦な沿岸地域における海風時の熱的内部境界層高度 : TOKAI 1982〜83大気拡散実験の再解析およびKASHIMA 1972〜77飛行機観測との比較
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概要
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平坦な沿岸地域における海風時の熱的内部境界層(TIBL)高度の推定について, Garrat (1992)の理論式と放物型の簡便な経験式を検討し, TIBL高度の実測値と比較した。実測値は角田ら(1986, 1987)による1982〜83年の茨城県東海村のものである。更に, 他地域の例として, 蒲生(1981)による鹿島臨海工業地域での飛行機観測結果およびDiCristfaro et al. (1989)のOCDモデルと比較した。採用した経験式はh=aX^<0.5>と表す。ここで, hはTIBL高度(単位:m), Xは海岸線と直角・内陸方向の距離(単位:m), aは比例係数である。東海と鹿島の両地域は関東地方の東岸にある比較的平坦な地形である。研究の結果, Garratt (1992)の理論式がファクター2の精度であること, 上記の実験式の係数aが1〜8の幅を持つこと, TIBL高度の観測値の平均分布が上記の経験式の比例係数aが4の場合で近似されかつ, それがOCDモデルと殆ど一致することが明らかになった。更に, 鹿島の観測値の殆どが東海の観測値のばらつきの中に包含されることも分かった。
- 社団法人大気環境学会の論文
- 2003-11-10
著者
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横山 長之
資源環境技術総合研究所
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竹内 清秀
財団法人日本気象協会
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竹内 清秀
日本気象協会
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木村 昌史
財団法人日本気象協会: 現株式会社市川環境アセス
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安達 隆史
財団法人日本気象協会: 現山梨大学教育人間科学部理科教育講座
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横山 長之
財団法人日本気象協会
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