映像の情動効果 : 脳波の挙動解析によるプレゼンテーション技術の評価(2)
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概要
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空間プレゼンテーションにおける最も重要な要素は視覚的イメージをダイレクトに伝える映像である。映像は感性的評価の対象であり、演出はその本質的部分と言える。本稿では、動画(実写)映像観視時における脳波の挙動と印象評定の結果に着目し、これらを対応させたかたちで比較分析することにより映像の情動効果(演出効果)を評価した。その結果、脳波の挙動と印象評定との間に対応関係を示唆する結果が得られた。具体的には、映像の情動価の高まりに伴って、α波帯域成分のパワー値が減衰する傾向及びα波ゆらぎの傾き値が増大する傾向を示した。脳波の挙動については解明されていない点が多く、感性的対象の評価指標として用いられた例は非常に数少ない。しかし、本稿の実験及び解析を通して得られた結果は、これまで主観的な評価に頼らざるを得なかった映像の情動効果を、人間の精神活動の根源とも言うべき大脳の活動に遡って客観的に評価できる可能性を示唆するものである。
- 日本デザイン学会の論文
- 1997-03-31
著者
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