各種薬剤浸漬テープのイエバエ成虫に対する効果とその習性の関係
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概要
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diazinon浸漬テープによつて畜舎, 住宅, 商店等のイエバエ成虫を駆除した結果(平社ら, 1959)を基として, 更に室内及び野外において薬剤浸漬テープ法及び, これに関連したイエバエ成虫の習性, 各薬剤の効果を検討した.1)数種薬剤を布テープに浸漬させ, この効力を室内的に検討した結果, 5%DDVPは非常にすぐれた初期効果を示したが, その効果は2週間以内に消失した. 20% malathionは, 長期の残効性があつたが実験を通じて低い効果しか期待出来なかつた. 5% diazinonは実験した薬剤中では最も, テープ法に適した薬剤であると考えられた. 5% dieldrin, 10% lindane, 30%DDTは, いずれも不満足な結果しか得られなかつた.2)各5%のdiazinon, malathion, lindane, dieldrin溶液を濾紙に1m^2当り50ccの割合で処理風乾した面にイエバエ成虫を短時間, 接触させ, 24時間後, その致死効果を観察したところ, diazinonは1秒接触で100%の致死率が得られ, 他は5分間接触でも, ほとんど死亡したハエはみられなかつた. diazinonは5分間の接触では約0.5%以上の濃度で完全な死亡が求められた.3)テープ処理本数は2m^2当り1本以上が望ましく, テープ幅は2〜3cm, 長さは60cm〜1mが適当と考えられる.一般に吊つた場合は, 労力等を無視すれば細いものを数多く吊つた方が有利であるが, 横に張つた場合は必ずしも, この傾向はみられなかつた.またテープは下方にある程多くのハエが繋留する様である.4)イエバエ成虫が, テープに1回当り繋留する時間は細いものほど長いが, 単位時間当りの繋留回数は太い方が多かつた.5)テープの材質は, diazinonを処理した時は, 布の様な吸収性の大きい面が最も好ましい.6)吸収性の大きい面内に吸着された薬剤の内, diazinon, DDVP, lindane, dieldrinは, 再び表面に移行する性質がみられ, また, diazinon, DDVPは, この処理面の上に無処理濾紙を重ねることにより, 長期の残留効果が期待出来た.7)diazinon浸漬布テープの代りにハエ取りリボンを同数吊ることによつても, イエバエ成虫を駆除することは可能であるが, その効果はモチが数日で附着力が失うため非常に短い期間であつた.8)畜舎等の出入口に"なわのれん"を吊りイエバエ成虫を駆除する場合, 細いものを密に処理する方が, 太いものを荒く処理するより, 同量の薬剤量で有利に駆除を行い得ると考える.
- 1960-04-05
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