コガタアカイエカ類の生態の研究 : II. 吸血前後の休止の習性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
コガタアカイエカ類の生態に関する研究の一部として, 吸血前後の休止の習性について1967年夏岡山県下で観察を行つた.豚舎付近に設置したハエトリリボンによる採集と紙テープ上に休止している蚊の対数によつて, 休止数の時刻による変動, 吸血源からの距離と休止密度の関係, 及び相対的休止時間を調べた.また壁面の直接観察で個体別に休止時間を調べた.吸血蚊は3時頃に多数の休止が認められ, 前半夜には極めて少なかつたが, 未吸血蚊は夜間を通して比較的平均的に休止が認められた.吸血源からの距離別にみた休止密度は, 未吸血蚊では近距離ほど高密度であつたが, 吸血蚊は2〜4mで最も密度が高かつた.一点での休止時間は1分毎の直接観察(20〜23時)と紙テープ上休止数(ある時刻に休止している数)とハエトリリボン採集数(ある1時間に休止した累積数)の比の値からの間接的方法の2つで求めた.直接観察では, 未吸血蚊の50%は7分以内に飛び立つが吸血蚊の90%は7分以上休止し13分で50%が移動してしまうことが分つた.間接的方法では休止時間が時刻によつて変動することが認められた.未吸血蚊は24〜1時に最も長く休止し, この時刻が吸血活動性の低下時刻であることが示された.吸血蚊の休止時間は1〜3時に長く, 吸血する蚊の数が2回目の峯を示す時刻(第1報)と一致した.このことから前半夜と後半夜に吸血した蚊の間には, 吸血後の行動にかなりの差の有ることが想像された.間接的方法で求めた終夜平均の休止時間は末吸血蚊で13分強, 吸血蚊で34分強となつた.同様の方法で求めたシナハマダラカの休止時間は未吸血蚊で約38分, 吸血蚊で約68分であり, コガタアカイエカの約2倍休止することが示された.
- 1969-07-10
論文 | ランダム
- 国の新都市造りのプロセスについて -筑波研究学園都市-
- 土地区画整理区域における敷地分割の形態的分析--新潟県長岡市を事例にして (昭和62年度〔日本都市計画学会〕学術研究論文集)
- 構想から実現へ向けて (構想から実現へ1) (主集 筑波研究学園都市)
- 筑波研究学園都事始め (筑波研究学園都市特集)
- 《事例編》SFAで業務プロセス再構築 (特集 モバイルワ-カ-を育てる--SFAで営業革命)