マダニ類の生態学的研究 : 6. ヤマトマダニの産卵, 発育および生存における温度の影響
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概要
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実験室内において, ヤマトマダニの産卵, 発育および生存における温度の影響を調べた。産卵は17℃から30℃までみられた。しかし雌体重1mgあたりの産卵数は30℃で顕著に減少した。産卵前期間および産卵期間は30℃を除いて, 温度が高くなるにつれて短くなった。卵の孵化率は17℃から25℃では83∿93%であったが, 低温(15℃)や高温(27∿30℃)では低くなった。卵期間は温度が高くなるにつれて短くなった。飽血幼虫と若虫は15℃から30℃まで脱皮できた。しかし幼虫は30℃で, 若虫は15℃, 20℃, 30℃で脱皮率が低下した。産卵と卵の発育に対する発育零点はそれぞれ, 8.2℃, 6.4℃であった。飽血幼虫と若虫の発育期間は温度が上がるにつれて徐々に短くなったが, 温度と発育期間の間に明瞭な直線関係はみられなかった。以上の結果はヤマトマダニが日本に普通にみられるチマダニ属のフタトゲチマダニやキチマダニより低温や高温に弱いことを示しており, これがヤマトマダニの生息場所を制限する一つの要因になっていると思われる。
- 1989-09-15
論文 | ランダム
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