タネガタマダニとシュルツェマダニの耐寒性と秩父山系での分布の関係
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概要
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タネガタマダニとシュルツェマダニの卵, 幼虫, 若虫を10∿50日間, 低温条件下(4,-2,-5℃)に置き, その後, 25℃に移して生存状況を観察した。両種の卵は, 10∿50日間の4℃あるいは-2℃処理では, 孵化率が0∿62.3%と低かった。両種の未吸血幼虫は, 10日間の-2℃処理では, すべて生存した。しかし, 30∿50日間の-2℃処理, あるいは10∿50日間の-5℃処理では, タネガタマダニの未吸血幼虫のほうがシュルツェマダニより生存率が低下した。両種の飽血幼虫の脱皮率は, 10∿50日間の4℃処理では, 76.7∿93.3%と高かった。しかし, 20∿50日間の-2℃あるいは20∿30日間の-5℃処理では, タネガタマダニの飽血幼虫のほうがシュルツェマダニより脱皮率が低下した。両種の未吸血若虫は, 10∿50日間の-5℃処理でも72.1∿100%の高い生存率を示した。両種の飽血若虫は, 10∿50日間の4℃あるいは-2℃処理で, 61.9∿100%の高い脱皮率を示した。しかし, 10∿30日間の-5℃処理では, タネガタマダニの飽血若虫のほうがシュルツェマダニより脱皮率が低下した。シュルツェマダニの低温に対する高い耐性は, このダニが山地帯上部から亜高山帯にかけて分布できる理由をうまく説明する。しかし, タネガタマダニの分布が低山帯に限定される理由は, このダニの未吸血若虫が低温に対して高い耐性を示すために, 低温耐性によってうまく説明できない。
- 1994-12-15
論文 | ランダム
- 伊藤孝著, 『ニュージャージー・スタンダード石油会社の史的研究-1920年代初頭から60年代末まで-』, 北海道大学図書刊行会, 2004年2月, x+476頁, 9,500円
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