マダニ類の生態学的研究 : 7. ヤマトマダニの産卵, 発育および生存における湿度の影響
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概要
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ヤマトマダニの産卵, 発育および生存における湿度の影響を, 20℃と25℃の温度条件下で調べた。産卵は20℃, 25℃とも相対湿度(以下, 単に湿度)86%から100%の間でみられた。しかし, 雌体重1mgあたりの産卵数は86%の湿度で極端に減少し, 産卵期間も短くなった。産卵前期間は湿度が低下するにつれて長くなった。20∿25℃での卵の孵化率は, 湿度100%では57.2∿63.8%であったが, 95%の湿度では1.6∿17.7%に低下し, 86%以下の湿度ではまったく孵化しなかった。20∿25℃での飽血幼虫の脱皮率は湿度95∿100%では45.1∿74.3%であったが, 86%以下の湿度ではまったく脱皮がみられなかった。飽血若虫の脱皮は20℃, 25℃とも湿度86%から100%までみられたが, 86∿95%の湿度では脱皮率が極端に低下した。飽血若虫の体重の減少率は湿度が低下するにつれて大きくなった。未吸血の幼虫, 若虫, 成虫の寿命は湿度が低下するにつれて短くなったが, とくに幼・若虫において顕著であった。以上の結果はヤマトマダニが乾燥条件下にきわめて弱いことを示しており, 湿度条件は本種の分布や生息密度に重大な影響を及ぼすものと思われた。
- 1990-12-15
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