北スマトラの 1 海岸村落における Anopheles sundaicus 幼虫の生態学的研究 : II 幼虫の生息密度に影響する環境要因
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概要
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インドネシア国北スマトラ州プルプック村の海岸地帯で1982年4∿6月にマラリア媒介蚊Anopheles sundaicus幼虫の生態を調べた。38カ所の登録された池を対象に6回の調査を行った。調査時に干上がっていた場合を除く215個のデータを用い, 数量化I類による多変量解析を行った。An. sundaicusの密度は塩分濃度の影響をもっとも強く受け, 0.5∿0.8%が最適濃度であった。次いで重要な要因は魚の生息数と水面の日当りの程度であり, 魚が少なく, 日当りのよい水域で密度が高かった。これらの3要因によって幼虫密度の全変動の21%が説明された。他方, An. sundaicus以外のハマダラカ幼虫の密度は水位が高く, 塩分濃度が低く(0.4%以下), 浮遊藻類が繁茂し, 透視度が高い水域で相対的に高かったが, 調査した水域全体の平均密度はAn. sundaicusより著しく低かった。
- 1990-09-15
著者
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