ウマブユにおける吸血量の卵巣発育および成熟卵数に及ぼす影響
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概要
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室内で交尾, 吸血, および産卵を行うウマブユの特徴を利用して, 吸血量(重さ)と卵巣発育および成熟卵数との関係を調べた。羽化当日, 交尾済みの雌成虫にヒトの手から十分に吸血させた場合, 吸血量は1雌あたり1.70∿3.03mg(ブユの体重の0.85∿1.52倍)で, ブユの体重と正の相関がみられた。吸血後3∿5日の成熟卵数(産下された卵数と体内残留成熟卵数の合計)も212から409と個体差がみられた。成熟卵数とブユの体重および吸血量には相関がみられ, ブユ体重の増加に伴って吸血量が増し, また成熟卵数も増すことがわかった。一方, 個々の雌の成熟卵の割合は, 吸血量にかかわらず, 85.9∿100%と高率であったので, 成熟卵数の変動は個々の雌の卵巣小管数の違いを反映したものと考えられた。次に, 吸血を故意に途中で止め, 吸血量と卵巣発育および発育がみられた場合の成熟卵の数ないし割合を調べた。その結果, 成熟卵を発育させた雌の割合は, 吸血量が体重の1/4(約0.5mg)以下では約10%と低率であったが, 吸血量が体重の1/4から1/2の範囲では72%と急速に増え, 吸血量が体重の1/2以上では100%に達した。一方, 成熟卵を発育させた雌における成熟卵の割合(また, これに依存した成熟卵数)は, 吸血量が体重にほぼ等しくなるまで吸血量に比例して上昇した。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1987-03-15
著者
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