福岡地方における蚊のアルボウイルス感染に関する研究 : 4. 日本脳炎ウイルス媒介蚊の出現消長と野外感染パターン及び日本脳炎流行規模との疫学的関連
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概要
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福岡地方における日本脳炎流行は, 1966年以前の激甚流行期と1967年以後の流行衰退期とに区別された。このうち, 1963∿1972年間の媒介蚊野外感染状況は前報に詳述した。本報では, 同期間における年ごとの媒介蚊出現消長を明らかにし, 媒介蚊出現消長, 同蚊野外感染状況及び日本脳炎流行規模の年次変動の関連を検討した。その結果, 流行衰退期における流行規模の年ごとの変動もまた, 激甚流行期におけると同じように, 媒介蚊野外感染開始時期と同蚊個体群密度の季節的消長との関係の年ごとの変動によると, また激甚流行期から流行衰退期への転換は, 全国的な慢性的媒介蚊減少傾向に起因する可能性が大きいと考えられた。なお, 本研究では, 流行衰退期における媒介蚊減少を直接的に証明できなかったので, コガタアカイエカの媒介資質の変化による流行衰退も考慮する余地はある。
- 1984-03-15
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