日本産 genus Prosimulium Roubaud (Diptera : Simuliidae) の再検討 : III. The subgenus Twinnia Stone and Jamnback stat. n.
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Rubzov (1960)は"日本及び朝鮮のブユ"(406米陸軍医学研究所, 1955年発行)に掲載されたProsimulium novum Dyar and Shannonの雌成虫の外部生殖器の図を, ソ連邦科学アカデミー動物研究所に保存の同種雌成虫の外部生殖器と比較して, 日本産の標本はTwinnia nova (Dyar and Shannon)と異なるとして, T. nova joponensis var. n.として記載し, さらに1973年にはこれを亜種とみなし, 報告した。著者はB. V. Peterson博士の御厚意により, T. novaの各ステージの標本を模式産地のカナダより入手し, 上記"日本と朝鮮のブユ"の図のもととなった標本の産地である長野県上高地のT. novaとされた種のそれと比較再検討した。その結果, 上高地産の標本は幼虫, 蛹, 雌雄成虫ともに, T. novaとは明瞭に異なる特徴をそなえ, 独立した種であることが判明した。Stoneら(1955)は触角9節である以外成虫がProsimulium属のそれに似るが, 幼虫はGymnopais属と似て口刷毛を欠くグループのため, Twinnia属をつくった(本属は1965年にProsimuliini族からGymnopaidini族へ移された)。しかし, ブユ幼虫の形態学的研究における最近の発展は, Prosimulium属の幼虫も初令では口刷毛を欠くこと, Twinnia属初令幼虫の上唇突起の配列式や亜下唇前縁歯の形状はGymnopais属よりもProsimulium属のそれらに似ることなどを明らかにしている。2令以上の幼虫に口刷毛を欠くという点でのGymnopais属への類似は, Twinnia属が発生水域の特殊な環境に適応するための幼虫期の幼形進化Paedomorphosisによる収斂であろう。したがってこのグループは幼虫よりも成虫の特徴を重視して, Prosimulium属の一亜属とみなすほうが, 系統分類上最適と思われる。以上の見地から, 本種をProsimulium (Twinnia) japonense (Rubzov), 1973 comb. n. and stat. n.として, 雄成虫, 蛹, 幼虫を含めた完全な記載を示した。
- 1980-03-15
論文 | ランダム
- 年金改革の論点 (特集 21世紀の年金問題--社会保障制度審議会報告書と有識者会議報告書をめぐって)
- 報道と制作の奮闘, 七転八倒記 釜石ケーブルテレビ
- 高橋和男取締役ソフトライン兼ハードライン本部長兼カテゴリー開発推進本部長が語る ダイエーCVC戦略と「情報・物流」改革--システムを武器にした本当の「流通改革」がこれから始まる!
- 日本外交の評価
- Imipramine-N-oxide [5-(3-dimethylaminopropyl-3N-oxide)-10,11-dihydrogen-5H-dibenz [b,f] azepine]hydrochlorideの薬理学的研究