Dermatophagoides microceras の最低生息湿度および乾燥空気中での水分の蒸散について
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概要
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この実験では, D. microcerasの最低生息湿度と乾燥空気中(湿度0%)での体内の水分量とその蒸散速度をもとめた。最低生息湿度実験では, 24時間絶食させたダニを乾燥空気中に6時間いれ, これを標準化した雌と呼び, 重量を計った。グリセリンと水の混合で50∿85%の湿度を8種類作り, この中に標準化した雌を24時間入れ, 再び重量を計った。この重量の差を, ΔW_<24>とした。50∿70%までのΔW_<24>の値と湿度の関係は正比例した(ΔW_<24>=4.60×a_v-3.31)が, 75∿85%ではΔW_<24>に有意差がなく平均した(ΔW_<24>=0.01)。この2式をグラフにとり(Y軸-ΔW_<24>, X軸-湿度), 交差点の湿度を最低生息湿度とし, 72%であった。乾燥空気中での水分の蒸散についての実験では, 雌を24時間絶食させて標準化し, 重量を計り, 6.0∿7.8μgの範囲内の雌だけを用いた。標準化したダニを乾燥空気中に0∿48時間曝露し, その後重量を計り, 再び乾燥させて乾燥重量を計り, その差をもとめた。このダニの水分蒸散は, 2つの方式で行われていると考えられる。速い蒸散とゆっくりした蒸散である。速い蒸散方式での体内水分量は1.15μgで, 毎時19.76%ずつ蒸散し, ゆっくりした蒸散方式の水分量は4.09μgで, 毎時2.7%の割で蒸散する。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1979-09-15
著者
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