コミドリハナバエ属の新種タテヤマコミドリハナバエの記載
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概要
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1974年の7月と8月に, 上村清博士らによる立山の蠅類の調査の際, 標高1,000mの美女平と1,500mの上, 小平で, 豚肉ミンチをベイトとしたハエトラップに, セスジミドリハナバエDasyphora cyanicolor Zetterstedtにまじって4♂♂, 2♀♀のコミドリハナバエ属(Pyrellia)に属する蠅が採集された。その後, 1976年8月, 同じ1,500m地点で, 倉橋弘博士が牛糞をベイトとして多数の本種を採集した。この蠅は, ソ連沿海州から1♀に基いて記載されたPyrellia pavlovskyi Ziminに酷似しているが, 中胸気門が黒色を呈すること, 中溝前正中剛毛(pre ac)を欠くこと, 後翅内剛毛(ia)が3対であることなどにより区別できる。わが国から記録されているセスジミドリハナバエとは, 外見上非常によく似ているが, 前胸基腹板が幅広く, 有毛であること, 腹側板に金属光沢のスポットがあることなどで区別できる。本種は, 前胸基腹板が有毛であることから, P. pavlovskyiおよびP. occidentalisとともにPyrellia属のうちのDasyphoromima亜属に属し, 本亜属としては第3番目の種である。これらの種のPyrellia属への所属は, 多少の問題点もあるが, Dasyphora属との取扱いについては, 学者により意見が異るので, ここでは, Zimin (1951)およびHennig (1955-64)にしたがってPyrellia属を採用した。本種の和名は, タテヤマコミドリハナバエ(新称)とする。
- 1976-12-15
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