殺鼠剤の効力に関する基礎的研究 : I. 数種抗凝血性殺鼠剤の効力差について
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概要
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抗凝血性殺鼠剤ワルファリン, フマリン, クマテトラリル, ダイファシノン, クロロファシノンの基礎効力を比較するため, マウス, ラットを用いて, 強制投与法と自由摂食法によって室内実験を行った。強制投与法によれば, いずれの薬剤もラットに対するLD_<50>値がマウスに対するそれよりも, 1回投与では数倍から数十倍, また, 連続して与えた場合でも十倍以上すぐれた。薬剤間ではインダンジオン系のものがクマリン系のものより高い効力を示した。同系統の薬剤を比較した場合, インダンジオン系の2つの間には差が認められなかったが, クマリン系の薬剤においては, マウスに対しては他の2薬剤よりも低い効力しか示さなかったクマテトラリルが, ラットに対する連続投与の結果では, 逆に高い効力を示し, インダンジオン系のものとほぼ同等であった。連続投与における効力の閾値は, インダンジオン系の薬剤では示されなかったが, クマリン系の薬剤では, マウスに対してクマテトラリルが1日あたり2.5∿10.0mg/kg, また, ラットに対してはフマリン, ワルファリンが, 1日あたり0.25∿1.0mg/kgであるように思われた。毒餌として与えた場合, その効力はいずれも高かったが, 強制投与によって示された動物種間の効力差は現れなかった。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1976-12-15
著者
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