自動車走路に於ける「逆緩和曲線」及「正緩和曲線」の略算法に就て
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概要
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i) 逆緩和曲線とは所謂正緩和曲線を反對に考へたもので、即ち正なるものは直線と圓弧との中間へ介在せしむるもので、曲率半徑γの大いさが走行距離sの増大につれて縮小收斂(∞→ω)するに反し、逆なるものは圓弧と直線との中間へ介在せしむるものでγの大いさがsの増大につれて増大放散(ω→∞)するものである。此處に述べる逆緩和曲線に於てはsと轉向角度ωとの大いさが反比例する、其の式は次の如く構成される。ω・s=C………………………………………………(a) ii) 略式正緩和曲線 略算法によりて求むる Traktrix の式で A型 Spirale としての全貌を窺ひ知る事は出來ないが鐵道に於けると同族の Kubische Parabel となるものである。其の式は次の如く構成される。(ω/s≒)ω/x=C……………………………………(b) 然してω/sの場合に結果が [numerical formula]……………………………………(c) となるものがω/xの場合に於てはy=C/(6l)x^3…………………………………………(d) と成る。該曲線の全般が緩和曲線と成り得るものでなく自ら其の利用限界がある。然して緩和曲線としての限界點の座標は(C/(6l)=γ) [numerical formula]……………………………………(e) で該位置に於ける曲率半徑は [numerical formula]………………………………………(f) であるが緩和曲線としては此の範圍を超えざる事を條件とする。iii) 擦違幅員 緩和曲線1本を與へて往復通過の2車が同一地點を擦違ふに要する最小幅員の算定法を述べて居る。基準車の轉向角度ωの價如何によりて該幅員が増減する。
- 社団法人日本建築学会の論文
- 1934-06-05
著者
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