企業経営と研究開発の関係に関するシミュレーションの試み : その9 経営活動の最適化状態について
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概要
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企業の税前利益(税引前利益の略称)の極大化は製品(群)の(下限)販売単価が特定の極大化(下限)販売単価と合致することにより実現するが、日本の多くの製造業企業ではすでにこれに近い状態にあると推定される理由について論じた。また極大化(下限)販売単価は外部経営環境の変動によっても変化することを定量的に明らかにした。次に製品市場を含めた企業社会に市場原理が有効に機能し続ければ、やがて企業経営活動の主要側面は「永続的な成長と繁栄」の実現に対して最適化した状態に収斂するとした。この状態には「税前利益の極大化」、「限界利益と研究開発費の比率の平準化」、「従業員1人当りの売上高の平準化」、「上市製品の付加価値倍率の固有値への収斂」および「研究開発費対売上高比率および限界利益率の販売単価依存性の画一化」が含まれることを示し、日本の多くの製造業企業ではすでにこの状態に収斂していると推定した。最後に、このシミュレーションモデル(の主要経営指標群の表示式に関する部分)は、記述の対象となる系がいずれも上述の最適化状態にあることを前提にしていると結論した。
- 研究・技術計画学会の論文
- 1999-06-10
研究・技術計画学会 | 論文
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