東亜産新植物記相2
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概要
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ヒトツバオトコエシ(Patrinia formosana KITAMURA). 台湾産のオトコエシで,従来Patrinia villosa JUSS.にあててあった植物があるが,花がオトコエシの1/2の大きさであり常に分裂しないので明かに区別すべきである.花後苞が増大して果実の脊部に円形の膜となっているのはオトコエシと同じである.支那には,やはりオトコエシで葉の分裂しないものがあるが,これは花が台湾のものより大きい.Tubocapsium obtusum KITAMURA. これは種子島より沖縄にかけて分布するもので,恐らく牧野博士が四国の室戸岬より書かれたT. anomalum var. obtusum KAKINO即ちマルバハダカホホズキにあたるのかもしれぬ.ハダカホホズキに比するに葉が鈍頭で質厚く,果梗の先端は頗る肥大し花冠は深く五裂しハダカホホズキは葉の先端鋭尖形で質薄く花冠は全長の中部位迄切れ込むので種として区別すべきであると考える.雄蘂の葯の下部がハダカホホズキは可成り開いて八字型になっているが,この植物ではあまり開いていないことは分類上注意すべき形質である.イガホホズキ(Physaliastrum japonicum KITAMURA). 本邦産のこの植物は珍な形態をなし採集家の良き獲物であるしよく知られている植物である.この植物ははじめフランセー氏に依ってChamaesaracha japonicaとして発表された.このときはイガホホズキとアヲホホズキとを一緒に考えて発表したのであった.牧野氏はChamaesaracha japonicaにイガホホズキをあて,アヲホホズキには別にC. Saratieri MAKINOを選ばれた.其の後矢田部氏はC. echinata YATABEという名をイガホホズキに付けられたが,C. japonicaを残すのが現行規約に適っている.それでこれをPhysaliastrumに移すときはP.echinatumでなくP. japonicumとすべきであると思う.タイワンハツカ(Mentha haplocalyx var. formasana KITAMURA). 台湾には従来ハッカの産することは知られていなかったが,島田弥市氏の採集によって発見された.もっとも葉は両面に毛多く,萼は小さいのでハッカとは区別して新種とする.テウセンカラスウリ(Trichosanthes Kirilowii MAXIM.). この植物は朝鮮や支那に産することが知られていたが,昨年土井美夫氏が大隅佐多村にて発見された.九州には新しい.大陸産のもので九州に続々発見されるのは面白い.
- 1937-01-15
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