東亜産新植物記相1
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概要
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コバナヌマダイコン (Adenostemma parviflorum DC.) 本種は熱帶亞細亞に分布する種類であるが,今度臺灣に産する事が明かとなつた.ヌマダイコンより果實も小花も小さいし果實の表面に瘤が多く,花冠は1mm.長であるから,花を見れば區別出來る. シンジユギク (Asteromoea pygmaea KITAMURA.) 關東にはこの植物を産せぬが關西には處々にある.ノシユンギクとは總苞が常に小さく,且つ全体も小さくて通常根出葉がロゼツトを作るので區別される.牧野博士が嘗てノシユンギクの變種とされたが,種が適當であらうと考へる. ヒノミサキギク (Chrysant hemum Ogawae KITAMURA.) 小川由一氏は先年來紀州の菊の研究について筆者を鞭撻され今日に及ぶが,今度は實に珍らしい菊を送つて下さつたので,こゝに記載する.葉の形は圖の如くアブラギク(C. indicum) に似て裏面は銀白である(この點はキイシヲギクに似る).花はアブラギクより小さく淡黄色で密繖房につく,舌状花が發達してゐるが短かい.それでアブラギクとキイシヲギクの雜種かもしれんが又萬一こんなに箇定した雜種起原の種かもしれぬ.兎に角小川氏の御手紙を引用すると,採集地は日高郡比井崎村田杭海岸でござゐまして,キイシホギクの外アブラギクも此の地方には産しますから兩者の天然雜交はあり得る事と存じます.又該キクの産します範圍も狹く之れ亦雜種ならずやとの想像を産ましむる一條件となり得るのではないかと存じます.和名はヒノミサキシホギクとお選び願へましたらば發見地を記念づけることも出來まして結構かと存じます.日ノ御碕は紀州の西端として名高く燈台もあり航海者には周知せられて居ります.産地は日の御碕附近ですから前記の様に和名に冠して見ました.」よつて筆者はこの菊には小川氏の御手紙に依る和名を今後使用し度いと思ふ.
- 1936-12-15
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