東亜植物誌資料(9)
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概要
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137)ネバリコゴメグサ 台湾,台北州の高山,南湖大山の可なり高い所の草原や岩地等に生育するコゴメグサの一種で花が比較的大きく,且葉の両面が著しく粘るのが特徴である,この特徴にちなんで上記の和名をつけた.138)タロココゴメグサ 私の知って居る範囲では邦産中花の最も大きい種類で花冠の背面の長さが12-15 mm.腹面に於ては20mm. に近い仲々美しい種類である,台湾島内で景色で有名なタロコ峡の上流,タビトとカラパオとの中間,道路に近い崖の所で採集した.139)タカネルリサウ 台湾で南湖大山と云えば植物の豊富な点で有名な山であるが,此の植物は同山の頂上に程近いブナツケイと云う野営地に生育して居る,全体に絨毛が多い為白色を呈し,花は普通のものよりも大形で花の色も濃く,美しい種類である.140)モミヂチドメ 台北市に近い七星山の中腹やその山麓の草山温泉の付近に生ずるチドメグサの一種で葉の分裂が深いのと,葉面に粗毛が可なり澤山生えて居るのが特徴である.141)タイワンミヤマタニタデ 台湾産のミヤマタニタデは茎,葉の表面,花軸等に短毛が稍密生して居る違ったものであるからタイワンミヤマタニタデと呼ぶ.142)ニヒタカフウロ ニヒタカフウロの学名Geranium uniflorum HAYATAは同じ名が以前に出版された事があり,使わぬ方がよいと思われるので新しくGeranium Hayatanum OHWIと呼ぶ,ハクサンフウロ等に似た美しい多年生草本で台湾の高山の草原に可なり澤山ある.
- 1933-09-01