東亜羊歯植物考察(承前)
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概要
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ホソバイヌワラビ Athyrium iseaunm ROSENSTOCK. ホソバイヌワラビの学名には従来 Athyrium Goeringianum MOORE が用いられていたが,小泉博士によればこれは全然別種であるから(本誌第1巻第3号233頁参照)Athyrium iseanum ROSENSTOCK を採用すべきである.基準標本は1913年に故桜井半三郎氏が伊勢国宇治山田市の外宮で採取したもので,私は氏の好意によりその副標本を見ることが出来た.本種には次の4種類がある.トガリバイヌワラビ(新称)var. angustisectum TAGAWA, var. nov. 小羽片の裂片は狭長鋭頭,密接せず,先端に近きものは一脈を有するのみ,近江国比叡山,紀伊国高野山, 伊予国小田深山,筑後国女岳の産.ミヤコイヌワラビ(新称)var. fragile TABAWA, var. nov. 葉柄,羽軸,羽片中肋は稍々帯紫色,小羽片は長楕円形,左右稍々同形,裂片は密接し,洋室は脆弱である.シケシダ属型の〓堆が小数混在する.近江国比叡山,伊豆国天城山,筑前国犬鳴山,筑後国御前岳,肥後国市房山,日向国白岩山の産.ナガエイヌワラビ(新称)var. gracilipes TAGAWA, var. nov. 葉柄は葉片よりはるかに長く,羽軸も羽片中肋も共に痩細である.羽片,小羽片共に密接せず,ほとんど二回羽状複生である.大隅国屋久島の産 マルバイヌワラビ(新称)var. obtusum TAGAWA, var. nov. 小羽片は長楕円形,円頭,浅裂,鋸歯は短く,幅は広い.丹波国鳥ヶ岳,大和国春日山の産.タカネサトメシダ(新称)Athyrium pinetorum TAGAWA, sp. nov. サトメシダに比するに,小形,二回羽状複生,羽片は無柄,小羽片は卵状長楕円形羽状深裂,裂片は長楕円形又は卵状長楕円形,鈍頭又は稍々截頭,鋸歯緑,〓堆は小羽片中肋に接近して両側に一列.甲斐国白根山北岳及び信濃国八ヶ岳の針葉樹林下の産.タカサゴイヌワラビ(新称)Athyrium silvicola TAGAWA, sp. nov. 台湾阿里山で故U. FAURIE氏の発見したもの.タニイヌワラビに近いものであるが,羽片,小羽片共に著き柄があり,小羽片は羽状深裂,鋸歯片は稍々鈍頭,〓堆は小羽片又は裂片の中肋に密接している.タイワンメシダ(新称)Athyrium taiwanense TAGAWA sp. nov. メシダ型の一種で,葉質硬く,小羽片は稍鈍頭反曲する.表面は平滑であるが,var. pubescens TAGAWA, var. nov. ケタイワンメシダ(新称)は表面に褐色の細毛がある.共に阿里山でU. FAURIE氏の発見したものである.
- 1933-02-01
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