型継承および高階な総称関数の表示的意味論
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
継承の存在する型構造上で,総称関数(generic function)は,言語の取り扱う値としてではなくオペレータとして扱われてきた[7].本論文では,総称関数を第一義的な値として他の関数の引数や返値として許すこと,すなわち,高階な総称関数を考えるための理論的基礎として,型継承および高階な総称関数に表示的意味を与える.まず,意味領域を構成する.この領域はI-domain (domain with type inheritance)のカテゴリの中で構成される.このカテゴリのオブジェクトは継承の存在する型構造の数学的モデルであり,射は総称関数に対応するものである.I-domainのカテゴリはcartesian closed categoryであり,M=M_B+[M&xarr;M]といった領域方程式はこのカテゴリで解を持つ.その後に,この等式の解となるI-domainの上で,ラムダ式を拡張した構文を持つ型付き言語の表示的意味を与える.
- 日本ソフトウェア科学会の論文
- 1990-10-15
著者
関連論文
- 多重定義と部分型が存在する計算の強正規性と型保存性について
- 型変換とマージ・オペレータのopfibrationによる意味づけ
- マージオペレータを持つレコード計算
- 型継承および高階な総称関数の表示的意味論