階層構造を持つルール・ベース型表現を埋め込んだオブジェクト指向型知識表現言語OPHELIAとその応用
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概要
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自然言語処理システムや問題解決システムを構築する際には,いわゆる「常識」とよばれる経験的知識をどう表現するかが大きな問題になる.本論文では,このような知識のうちで,特に,経験的な世界とシステムの持つ宣言的な知識を結合するための手続き的知識に着目し,このような知識を表現するのに適した知識表現言語として開発された,階層構造を持つプロダクション・システムを埋め込むことのできるオブジェクト指向型言語OPHELIAについて述べる.さらに,OPHELIAによる常識的知識の表現の応用として,日本語処理とニュートン力学の問題解決における手続き的知識としての「常識」を,OPHELIAの上に表現したシステムについて述べる.日本語処理システム(HELPERとよばれる)は,現在,会話文のような文法的でない文の解析システムとして用いられている.また,ニュートン力学問題解決システム(PQRSとよばれる)は,現在,摩擦力を含む問題を,定性的推論と定量的推論を組み合わせて解くことができるようになっている.上の意味での常識的な知識は,HELPERでは,文法・意味解析のための階層構造化されたプロダクション・システムとして,またPQRSでは,問題構造の表現変換(representational shift)に基づいて問題解決を行うための階層的プロダクション・システムとして,OPHELIA上にインプリメントされている.
- 日本ソフトウェア科学会の論文
- 1986-07-17
著者
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