パプアニューギニア, 東セピック州のサゴヤシ林の実態とその澱粉生産性に関する調査研究 : 第1報 調査地の概要とサゴヤシ林の自然環境
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概要
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1982年より85年の間にパプアニューギニア東セピック州のセピック河流域に分布するサゴヤシ林の生育環境, 生育状態とその生育特性, 澱粉生産性などについて実態調査をもとに研究した.第1報では調査地の概要とサゴヤシ林の土壌・植生・気象環境等について報告する.本調査地域には約40万haのサゴヤシ林が分布するが, その大半は野生林でその一部に多収種の群落がある.サゴヤシは河岸堤防上, 湖・ラグーンの岸辺, 河口に下る低湿原等に生育し, その植生は1)sago palm phragmites swamp2)sago palm swamp3)Sago palm forestの3種に区別された.それらの中でsago palm forestのサゴヤシが最も有用性が高いことが知られた.土壌は沖積湿地のhydraquents, fluvaquentsおよびhistosolsに属し, 調査地林では年間地下水位が地上50〜60cmから地下1〜2mの間を上下移動することが知られた.調査地域のサゴヤシ林は海岸から約15kmの汽水域から約100km上流の淡水域までに多く分布するが, そのほとんどの林は淡水域に属した.気象環境は熱帯雨林気候に属し, 林内は樹冠で太陽光が遮られ, 気温・地温とも裸地より低く推移した.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 1990-11-25
著者
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