湿潤熱帯のトウモロコシ栽培における^<15>N標識硫安の流出バランス

概要

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1997年にトウモロコシによる^<15>N標識硫安の取り込みと流出を研究するため, マレーシアの湿潤熱帯条件下で圃場試験を行った.圃場試験を行った土壌は埴砂壌土性のBungorシリーズ(Paleudultタイプ)に分類された.推奨されている窒素投与割合は(NH_4)_2SO_4型でヘクタールあたり150kgであった.その中に(^<15>NH_4)_2SO_4(過剰^<15>Nの9.82%アトム)が60kg含まれていた.収穫後, トウモロコシの地上部に^<15>N標識(%Ndff)の肥料から検出された窒素は23%であった.^<15>N全回収率は20.4%しかなかった.60%以上が葉柄, 11.6%が皮, 3.0%が穂軸, 23.7%が種子から検出された.表層土50センチからの^<15>N回収率は39.6%であった(その内74.5%が15センチの表層土から検出された).残りの40%の^<15>N標識の窒素は検出されなかった.^<15>N標識の窒素は主に土壌流出によって消失されたと思われる.
日本熱帯農業学会の論文
2001-09-01