チェリモヤ無核果実生産におけるジベレリン(GA_3)処理濃度・処理量・処理回数の検討
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概要
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GA_3をもちいてチェリモヤの無核果実を生産するための, 簡便で効率的な技術を開発する目的で, 1)処理の有無が果実肥大に及ぼす影響, 2)GA_3処理濃度, 量および部位が果実の無核化に及ぼす影響を調査し, 3)果実の内生ジベレリンを経時的に定量した.初期肥大期(第I期)の肥大は人工受粉よりもGA_3処理した果実で優れた.人工受粉果実は, 開花後80日頃から約1か月の間, 肥大がほとんど見られなかった(第II期)が, GA_3処理して無核となった果実は, この間もゆるやかな縦径の生長を続けた.GA_3処理果実の後期肥大期(第III期)の肥大は, 人工受粉果実よりも劣った.GA_3処理果実中のGA_3含量は, 第I期および第II期ともに人工受粉した果実より高かった.しかし, 第III期の直前にはどちらにもGA_3は検出されなくなった.第III期の肥大にはGA_3は関与していないことが示唆され, この時期のGA_3追処理は必要ないと考えられた.GA_3処理濃度と処理部位を組み合わせ, 果実に形成される種子数を調査した.GA_3濃度500,1000,1500ppmでは, 濃度が高いほど果実に含まれる種子数は少なくなり, 無核の果実が多くなった.また, 萼(がく)よりも柱頭に処理した方が種子数は少なかったが, 作業の容易な萼への処理でも形成された種子数はわずかであった.GA_3溶液の濃度と処理量を組み合わせ, 果実肥大と可溶性固形物含量に及ぼす影響を調査した.500,1000,1500ppmのうち, 処理濃度が高いほど果実は大きくなった.処理量は, 果実重にも可溶性固形物含量にも影響しなかった.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 2000-03-01
著者
-
池田 稔
塩野義製薬株式会社新薬研究所安全性研究部門病理2グループ
-
富田 栄一
和歌山県農林水産総合技術センター果樹園芸試験場:(現)和歌山県農業協同組合連合会
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富田 栄一
和歌山県果樹園芸試験場
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樋口 浩和
京都大学農学研究科
-
池田 稔
塩野義製薬 創薬研
-
米本 仁巳
(現)和歌山県山村産業試験場
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