コレステロールとの混合単分子膜中におけるモノヘキサデシルリン酸の混合性
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概要
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モノヘキサデシルリン酸(HP)はリン酸とヘキサデシルアルコールのモノエステルであり, 2塩基酸である.また, これは生体膜に存在する酸性リン脂質, 例えば, フォスファチジン酸やフォスファチジルセリンのモデル物質として興味がある.HPは一種のモノアルキルリン酸であるが, これは単分子膜中でリン酸基同士が水素結合をして高い表面粘性や異常なpK値などを示す事が知られている.われわれは炭素数の異なるモノアルキルリン酸の2ナトリウム塩を合成し, その水溶液の界面化学的研究をおこなった.また, この水溶液表面においてコレステロールやそのエステのル不溶性単分子膜を展開し, 可溶性成分と不溶性成分の相互作用について検討した.今回は, 酸性水溶液表面において遊離のアルキルリン酸(モノヘキサデシルリン酸, HP)とコレステロール(CH)の混合単分子膜を展開し, その表面圧一面積曲線(F-A曲線)を測定した.同時にこれ等の平衡拡張圧(F_s)をも測定した.これ等の結果に基づき混合単分子膜中でのHPの分子会合とコレステロール分子との混合性について検討した.
- 社団法人日本薬学会の論文
- 1976-07-25
著者
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