光学活性有機アンチモン化合物の合成とその性質に関する研究
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概要
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ヘテロ原子化学の発展に伴って近年,周期表第3周期以降の典型元素(以下,重元素と略)の特性を利用した数多くの有機合成反応が開発されている.その代表に重元素から成る光学活性化合物をエナンチオ選択的な不斉誘導反応の触媒配位子として活用することが挙げられる.中でもリン(P)は優れた遷移金属に対する配位能を持ち,数多くの光学活性体が合成されるとともに,生理活性物質や天然物資源等の供給に有効利用されている.近年,これらとの比較や新しい配位子特性を見出すことを目的としてリンと同族のヒ素(As)や同周期の硫黄(S)化合物の合成も活発に行われている.これに対して周期表15族第5周期に位置するアンチモン(Sb)から成る化合物は光学活性体の存在すら最近に至るまでほとんど知られていなかった.そこで光学活性な有機アンチモン化合物を効率的に得ることができれば,これが新しい不斉素子の提供にもつながるものと考え,それら化合物群の一般合成法の開発並びに物理的,化学的諸性質の解明に取り組むことにした.本稿ではSb上に不斉中心を持つ光学活性体並びにビナフチル骨格から成るC_2軸不斉型有機アンチモン化合物を中心にこれまでに得られた知見を紹介する.
- 2003-07-01
論文 | ランダム
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