神經性生殖器障碍
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概要
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動物の生活現象の中食慾と性慾程力強いものはありません食慾は個人の生命を維持する爲性慾は種屬を保存する爲本能的に發露するものであります兩者共必要缺く可からざるものでありますが時には性慾の方が食慾よりも却って重大視される場合があります性慾は即ち生命であるとさへ觀せられる場合が少くありませんされば若返り法とは衰へたる生活力を戻すのでなく失はれたる性慾を恢復する意味であるのも當然であります生殖器障碍は胃腸其他の疾患よりも患者をして精神的に懊惱させるものであってその爲めに人生の希望光明を失って遂には自殺するものさへ稀ではないのであります醫師たるものは充分に生殖器障碍の本態を明かにし治療の法を講じ患者をして其の不幸より救濟する義務があると思ひます生殖器障碍には他の疾患と同様に器質的のものと神經性のものとを區別する事が出來ますが只今は主として神經性のものに就て其の原因症候及び治療法を述ぺやうと思ひますしかし本論に入る前に先づ生殖器の生理殊にその神經作用を詳述する必要があります
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