仮現運動中の3次元物体の中間表象に関する心理物理学的分析(「感性情報処理の基礎と応用」及びヒューマン情報処理一般)
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概要
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仮現運動事態では, 視覚入力がない運動経路上にも物体の表象が形成されることが知られている.これまで仮現運動する物体の中間表象が2次元あるいは3次元で表現されるのかに関して具体的な検討はされてこなかった.本研究では, 仮現運動する3次元的図形(陰影がついた凸あるいは凹の円)の運動経路に, 同様の3次元的図形と2次元的図形(表面が一様で平面的な円)を瞬間提示し, 知覚された運動の方向や運動の滑らかさの差異を検討した.運動方向の知覚では凹凸に関する奥行情報が関与しなかったため, 仮現運動物体の中間表象は2次元的であると考えられた.一方, 知覚された運動の滑らかさに関しては, 中間表象には2次元情報だけではなく特に凸に関する奥行情報も保持されていることが示された.このことは2^<1/2>スケッチ(Marr, 1982)の概念と一致する.以上のことから, 仮現運動物体の運動経路上の表象は, 2次元と3次元の中間的な表象(2^<1/2>スケッチ)であることが示唆された.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2005-12-08
著者
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