高レート低密度パリティ検査符号と有限幾何(信号処理及び一般)
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概要
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低密度パリティ検査(LDPC)符号は、符号化・復号に要する計算量が比較的小さく、なおかつ非常に優れた誤り率特性を持つ符号として、近年非常に注目を集めている. LDPC符号の誤り率特性はthresholdとerror-floorによって特徴付けられる。Thresholdは検査行列の次数分布(行ベクトル、列ベクトルの重み分布)に強く依存することが知られており、よい次数分布を効率よく導く手段としてdensity evolutionと呼ばれるテクニックが知られている。よい次数分布を選択することによってthreshold特性に優れたLDPC符号を得ることができる。しかしながら、高符号化率で実用的な符号長のLDPC符号に関しては、このように構成された符号の多くは、高いerror-floorを持つ傾向にあることが知られている。本講演では、特性の良い高符号化率LDPC符号を構成する方法として、有限幾何を用いた符号構成法について紹介する。特に、アフィン平面から多くのクラスの高符号化率擬似巡回(QC)LDPC符号を構成する方法を示す。この中には最小距離、最小重み符号語数の評価を通してエラーフロアの良い近似が得られる符号のクラス、あるいはRS-based LDPC符号と同様の方法で、あるMDS符号から構成される符号のクラスがある。計算機シミュレーションを通して、これらの多くが良い誤り率特性を持つことを示す。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2005-12-08