多孔質フィルム製ダクトを使用した冷却チューブによるホウレンソウの根域冷却
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概要
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水蒸気は透過するが, 液体は透過しない性質を持つ多孔質フィルムを使用した冷却チューブを製作し, ホウレンソウの栽培における根域冷却を試みた.冷却チューブは, 直径3cmのナイロンメッシュチューブを円筒状に加工した多孔質フィルムで覆ったダクトを, 円周18cmのポリエチレンチューブに通して製作した.冷却チューブは5mとし両側を50cmずつ上方に折り曲げ, ダクトとポリエチレンフィルムの間の空間に6Lの水をみたして使用した.冷却チューブ内の風速(0, 1, 4および8m・^<s-1>)と冷却チューブの温度との関係を発泡スチロール上で調査したところ, 1m・^<s-1>の場合には吸気口から1m地点まで, 4m・^<s-1>以上の場合には少なくとも4m地点まで温度が低下した.冷却チューブを畝中心線に設置し, 8m・^<s-1>の送風処理を行った場合には冷却チューブ直下の地温が低下した.また, 2004年8月20日から10月5日まで栽培を行ったホウレンソウでは, 冷却チューブ付近の植物体の地上部新鮮重が約25%高くなった.これらのことから, 冷却チューブによる地温の低下が, 高地温によるホウレンソウの生育抑制を回避するために有効であると考えられた.
- 2006-01-15
著者
-
安場 健一郎
東北農業研究センター野菜花き部
-
屋代 幹雄
東北農業研究センター野菜花き部
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松尾 健太郎
東北農業研究センター野菜花き部
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屋代 幹雄
東北農研
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松尾 健太郎
東北農研
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屋代 幹雄
中央農研
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屋代 幹雄
東北農業研究センター
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