台湾産Thalassodesグループについて(シャクガ科アオシャク亜科)
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概要
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私(1992)は台湾産としてThalassodesを5種リストした.その後Holloway (1996)によって主にゲニタリアからこの属はThalassodes, OrothalassodesおよびPelagodesの3属に分割された.T. falsaria Prout (1912)はProut (1914)によって台湾から記録されたが, 誤同定によることは確実なので台湾のリストから除外しなければならない.Holloway (1996)は本種をPelagodesに入れたが, 私はゲニタリアと雄第8腹板および背板の形からOrothalassodesに移した.Thalassodes opalina Butlerを今回新たに台湾から記録した.従来T. immissariaの亜種intaminata Inoueとされていたサザナミシロアオシャクは今回独立種とした.雄の交尾器や第8腹板の形に違いがあるし, 雌ではductus bursaeがはるかに短い.Orothalassodes pervulgatusという新種を台湾ほか東南アジア各地産の標本によって記載した.Pelagodesの3種: P. subquadraria (Inoue)クスアオシャク, P. proquadraria (Inoue)ヒメサザナミアオシャク, P. antiquadraria (Inoue)オオサザナミアオシャクは日本にも台湾にも分布していて特に問題はない.これら3種とサザナミシロアオシャクの幼虫や食草については富永(2000, 誘蛾燈(159); 2003a, b, 同上(173), (174))を参照されたい.本文に取り上げた3属は男性名詞なので, 命名法では種名や亜種名の形容詞語尾を-usにしなければならないのだが, 最近多くの学者(ことに英語圏)は原記載のときのスペルをそのまま引用しているので, 本文でもそれに従った.
- 日本鱗翅学会の論文
- 2005-09-30
日本鱗翅学会 | 論文
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