日本新記録種ハリギリミドリヒメハマキ(新称)Rhopobota grypodes (Meyrick)(鱗翅目, ハマキガ科, ヒメハマキガ亜科)の記録および幼生期の記載
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
第2著者の富永により沖縄島のリュウキュウハリギリを摂食している未知のヒメハマキガ幼虫が発見された.羽化成虫を検討したところ, 日本未記録のRhopobota grypodes (Meyrick)であることが判明した.本種は前翅の後縁部と肛角域が青緑色であることにより, 同属の他の種と区別できる.本種の♀交尾器のコルプス・ブルサエは本属の固有新形質である後方の硬化したバンドをもたない.この欠失状態は本種の固有新形質と考えられる.♂成虫の後翅裏面は黒色紋をもつ.この形質は属内のいくつかの近縁な種で見られる.分布: スリランカ, ジャバ, 日本(沖縄島).寄主植物: リュウキュウハリギリKalopanax pictus (Thumb.) Nakai var. lutchuensis (Nakai) Nemoto(ウコギ科).幼虫は寄主植物の葉裏の葉脈沿いに絹糸で造られた巣(表面に糞を付着させている)の中かあるいは隣り合った葉脈の間に造られたポケット状の巣の中に潜みながら, 表面を摂食する.沖縄ではおそらく年数世代を経過すると思われる.
- 日本鱗翅学会の論文
- 2005-09-30
日本鱗翅学会 | 論文
- オオルリシジミの発生に及ぼす放牧圧の影響
- 日本鱗翅学会60年史(上) : 1945(昭和20年)〜1966(昭和41年)
- 緒方さんの思い出(緒方正美先生追悼特集)
- 私と鱗翅学会50年(日本鱗翅学会50周年特集(1))
- 「やどりが」誕生のころ(世界に躍進する日本鱗翅学会)